「颯……?」 どうして、背中を向けるの?? 颯が、遠くに行っちゃう気がして、私は手を伸ばした。 「来るなっ!!」 ーパシンッ!! 「痛っ……」 伸ばした手を、颯に払われて、私の頭は真っ白になる。 それは、颯も同じだったみたいで、私を見つめて、驚きに目を見開いていた。 「わ、悪い……俺、花音を傷つけるつもりじゃ……っ」 「女に手出すとか、最低だな!!」 すると、私の後ろから、声が聞こえた。 颯からは見えているのか、颯の表情がすぐに険しくなる。