ーまずい。


颯への想いを自覚してからまる一日。

心臓がバクバクして、軽く息切れをするくらいに酷い。



「美緒、心臓がずっと動いてて、私って病気かな?」

「止まった方が病気でしょ」



私の一言に、美緒は呆れた目で私を見る。

私は、目の前に座る美緒に颯を好きになった事を報告した。


「むしろ、気づいてなかったの?って思ったけどね、私は」


「え、そうなの?」


「颯くんといる花音は、すっごく良い顔で笑ってたし…もうとっくに気づいてると思ってたよ」



そっか……私、颯の前では、良い笑顔をしてるんだ。

それは、きっと颯がそうさせてる。


「颯ってね、向日葵みたいにぱぁってキラキラした笑顔なんだ!たから、私もつられてるのかも…」


「へぇ~、花音ってば、ノロケ??」


「えぇっ、ノ、ノロケっ!?」


ノロケをしたつもりは無いけど、でも…私は颯の笑顔が、すごく好きで……。


そう、すごく好き、なんだけど……。