俺だけを見てろ

〜救世主 Side紘〜

ガチャッ、ガチャガチャ!!

「……………最悪だ」

目の前にある扉を乱暴に押しても引いても扉は全くびくともしない。
スマホは鞄のなかに入っていて誰とも連絡取れないし声をあげてもここは人気のないところで私の声は届かない。

「怖い…………」

クラスの子達に仕事を頼まれ校庭から離れた体育倉庫に来て作業をしていたら扉が開かなくなっていた。

「あぁ、どうしよ……」

小さい頃から暗いところが苦手な私にとって体育倉庫は地獄そのもの。
なにかが出てきそうで怖すぎる。

膝を抱えながらうずくまっていると誰かの足音が聞こえた。