俺だけを見てろ

…………俺、こんな事やってる暇ないんだけど。
紘を探しに行かないと。

「ねぇ、もういい?俺、用があるんだけど」
「ちょい待ちー、あんたの好きな子は?」

………………は?

「私がここに来た目的はその子を見ることなの。どこにいるの?紘ちゃんは」

いや、俺もそれを知りたい。

「…………いなくなった」
「は?紘ちゃんが?」
「体育倉庫行ってからいなくなったんだって、だから早く探しに行きたいんだけど」

こんな所で足止め喰らいたくないの。

「それなら早く言いなさいよ!!」

姉ちゃんは俺の肩を強く叩いた。