俺だけを見てろ

なんか、どうしても逃げ出したい気分になった俺は机の上に広げてあった教科書や問題集を急いで鞄の中に詰め込んで図書室を出た。



「………俺、一目惚れしたかも」
「はぁああ！？」

図書室を出た後小さい頃からつるんでる友達の将生を俺の家に呼び出した。

「お前、はぁぁ？」

俺が一目惚れしたかもと言ったら将生は何度も“はぁぁ！？”を繰り返してくる。

「しつけーよ」

こっちだって驚きなんだよ。
まさか高校生になって初めて一目惚れとか
…………恥ずかしくね？

「お前が一目惚れかよ………」
「すげー綺麗な女の子だった」

俺の家族は少しあれで正直、目は肥えていて今まで数え切れないほどいろんな女と関わってきたけど関わってきた女達を１度も綺麗とか可愛いとか思ったことがなかった。