俺だけを見てろ

「…………ダセェ」

溢れてきた涙を急いで拭った。

生まれて初めて心の底から好きになった紘という女の子。
紘は優しくて美人で料理が上手で家族想いで…………。
誰よりも優しくて、ずっと一緒にいたいと思ってた。
でも。
俺の初恋もこれでおしまいだ。

「頑張らないとなぁ………」

次の日から俺は仕事に打ち込むようになった。
朝から晩までモデルの仕事を入れて学校に行けないようにした。
つまり、仕事を理由に紘から逃げた。

「………蓮、最近仕事のやりすぎよ」
「うん………でも大丈夫だから」

今は何かで気を紛らわせていたい。