「俺らも早く気付けば良かったんにな。ほんまごめんな。怪我はせぇへんかった?どこも大丈夫か?」 ―彼のその柔らかなアクセントは、 富士中のそれに酷似していた。 「関西の方ですか?」 さやかがすかさず聞くと 「そうや。俺ら大阪出身の上京組やからな」 と彼はまた笑う。 「あの…」 じーは漸く言葉を紡いだ。