「そうなんですよ。大事にされてるのかされてないのか…わからなくなっちゃって…」 数多の若者の声が鳴り響く店内で、 消え入りそうに、でも確実に二人は理解を分かち合っていた。 ふわりとしたアロマハーブに近い香りが じーの鼻をつく。 「そうですよね。彼にとって特別になればなるほど、ますます大事にされてるかなんて見えなくなってしまうものですもの」