「あらさやかさんじゃないですか。お久しぶりです」 のほほんとした表情で富士中と呼ばれる その女は笑った。 「かくかくじかじかでこの子をリフォームして欲しいんです!よろしくお願いします」 さやかが深く頭を下げると、富士中はくすりと笑った。 「リフォームて…中古物件じゃないんだから…わかりました。ぜひお引き受け致しましょ」 京都から出て来たというその富士中には なんだか不思議なアクセントと、そして さやかにも垣間見えるような凛とした強さがあるように感じた。