「…もういいから…」 完全に失望したような瞳で、じーは真っ直ぐに拓海を射抜いた。 「じー…俺は…」 【俺は愛情表現が苦手なんだ】 かつて拓海はじーに呟いた。 彼の複雑な家庭環境がそうさせたらしく、事実彼はそれが原因で友達や彼女を失った事も多々あった。 愛情表現をしたいにも、どんなことばでそれを表したらいいかわからない。 自分がかつて、そんなことばを気持ちをもらった記憶がないから。