ところが―。 「トトロートトロってば!!」 駅の改札口。 巻き髪を揺らす端正なビジュアルの美女が、朝っぱらから某ジブリ作品のタイトルを叫ぶ。 この洒落たデザインの世北駅に似つかわしくない、要するに不可思議な光景であった。 「はいはいごめんねー」