「梨々華ちゃん、もし隠してることあったら言ってね……」 それだけを言うと階段を下りていった。 先生を見ると、焦ったような真剣な顔で階段を見つめている。 私がここに居なければ、先生に迷惑かけなかったのに……。 さっさと帰って家で泣いてれば、問題なかったのに……。 次から次と後悔が涙と一緒に溢れ出てくる。 「梨々華。悩み悪いんだけど明日また聞かせてくれるか?」 「はい……別に構わないですけど」 どうして先生は怒った顔一つしないで、優しい目で見てくれるの? 余計に胸が苦しくなるよ。