"弱いもんの味方"


戦隊ヒーロー物とか見てて、幼心ながら思ったものだ。


『キレイ事抜かすなよ』


どこか冷めたところのある僕は、世の中を見下していて、世の事象を俯瞰している所があった。


『この世の人間は、結局なんだかんだで自分が大切なんだろ。偉そうに語るな』


所詮学生風情なのだが、当の自分自身の事は棚に上げておいて、達観する自分に悦に浸っていたのだろう。


偉そうな事を考えていた罰か。
今じゃ、僕が助けてもらう立場。


"弱いもん"に"なってしまった"僕は、容赦なく周りの手を借りまくっていた。

障害者然り…人間は、人間の手を借りないと、生きていく事は難しい。

助ける側の人間が"めんど臭いな"と思っていたり、心から"困っている人を助けたい"と思っていたり…
逆に助けてもらう側が"救うのは当然"と思っていたり、心から"ありがとう"と思っていたり、真意はバラバラだ。

だが、その真意を"結局は自分なんだろ。キレイ事抜かすな"と生意気に見下していた僕が、皮肉にも甘受している。

今度は、カミサマか誰かに俯瞰されているような気になっているだけの、僕だった。