"自分が明らかに悪い"と認めるのは難しい。

だが、そういった状況にいざおかれてみたら。

バイトは潔く辞めるしかないのだ。


…最初は就活で忙しいんだな、と思ってもらえた無断欠席も、それが何回も許されるほど、社会は甘くないんだ、という事を、そのバイトで改めて思い知った。

就活で忙しいのと、オーシャンの店長は優しいから大丈夫でしょとで、浅はかに考えていたその頃の自分に『喝!』を入れたい。

5回程の連絡を無視(ケータイの調子が悪くて、ずっと自室に放置していたのだ)していて、この間これまでの行為を謝罪しようと久々にバイト先に訪れてみたら、違う人が忙しそうに立ち回っていた。

"まぁケータイ調子悪かったんだから仕方ないでしょ。メンゴメンゴ"と過信していた拓人は、絶望感からそのままバイト先から退去、そして一足先に就職先を探す日々に舞い戻ったのだった。

今は日雇いの派遣のバイトをこなしている。それが就活生にはベストなのかも知れない、と最近恣意的に思い始めた。


由衣は基本的に連絡をしない性分で、拓人がバイト先を変えることになった理由も、最近拓人から聞いて知ったらしい。