「…就活生で射的やる人は、凄い勇気あるね。僕らは無理だから、変わりにりんご飴食べよう」


安心から適当に目に入った屋台を指差す。


「…なんでりんご飴?まぁいいけど」


とりあえず拓人たちはりんご飴を食みながら、今日の天候は恵まれた事について語ったが、それは一瞬で終了し、次は『何をお願いしたか』に変わって話した。


「やっぱり、就職先がちゃんと見つかりますように、ってお願いしたよ」


境内にぽつんとあったベンチに二人で座り、由衣は続けた。


「あと、拓人君の次のバイト先が早く見つかりますように、ともお願いしたよ」


由衣が悪戯っぽくこちらを向いていった。


…そう、拓人はまたバイトを探していたのだ。