年が開けた。
就活の合間だが、正月三が日の充電期間を設け、拓人は近くの神社に初詣に来ていた。
もちろん横には、"彼女"となった由衣も一緒にいる。
神社にお参りし、おみくじを引くという正月の定番となっている所作をこなし、今は近くにあった屋台を廻っている所だ。
「──…この時期に射的って、絶対できないよね。もし当たらなかったら、就活でもどこにも当たらなそう…」
晴れ着を身にまとった由衣がこぼす。
決して華やかではないが、どこか目を引く所のある由衣の振り袖姿は、拓人が頼み込んだものだった。
正月には着物!という固定観念がある拓人は、私服で初詣に行くと由衣が口走った瞬間、五体投地でお願いした。
由衣には、新年早々面倒事を頼み込んだ形となったが、今の由衣のその様子からもう面倒臭いという気持ちは去っているのがわかり、口調には多少柔らかさが含まれていた。

