この前の不完全燃焼。中途半端な燃えカスがいつまでも頭の隅にこびりついて、拓人の日々の思考に異常を来していた。


「──どう?バイト上手く行ってる?」


アリがそう尋ねてきた。


「……まぁ、上手く行ってる…のかな?」
「一応紹介した身としては、その後も気になるワケよ」


あんまバイト長続きしないだろ、とアリは続ける。


「新人さんが入ってきて恋愛に発展、とかないの?」


あっけらかんと図星を尋ねてくるアリ。


「い!いやいやいや!そんな色めきだったハナシあるワケないよ!」
「…何焦ってんの?怪しいな」
「………」


拓人の反応にアリは笑った。

こんな場所だから、というのもあるが、一応今日の飲み会の題は『就活』だ。にも関わらず、その事を質問してくるアリは、やっぱり鋭い。