「ハイハイもっといっちゃって~!」
「いやこれ凄い入ってくんだけど!ちょ、ま…オボボボボ」
「ギャハハハハハ!」


街のある居酒屋で、就活の現状況を報告し合おうという事で、拓人たちは飲み会を開いていた。

まぁそれは建前で、日頃たまった鬱憤を晴らす、というのが本音の5人は、久々の飲み会というのもあって大いに盛り上がっていた。

たっちゃん、りゅーじ、ドゥミ、アリ、拓人。取っているゼミはバラバラだが、この5人はたまに飲み会をするほど、仲が良かった。

今日来ている居酒屋は、拓人らはもう常連となっている。当日に予約無しで個室に入れるのは長い間通った特権かも知れない。

今、ドゥミが新品の『灯油ポンプ』の先を口にくわえている。たっちゃんが、ポンプを押してドゥミの口とポンプ越しに繋がるグラスに大盛りとなっている、酒の流れとドゥミの様子を見て、りゅーじとバカ笑いしていた。


「…ちょ…これ…マジでヤバいって!」
「え!?なんだって!?聞こえない!」
「ごちそうさまが、聞こえない♪」
「はいっもう一杯っ!」
「う、嘘だろ!?ちょ、やめオボボボボ!」


皆の笑い声。拓人も笑ってはいたが、そこには微かな影があった。