「──大体の話は智也から聞いてるよ。ウチで働きたいんだよね?もう是非入って貰いたいとこだね!ウチは店長と店員一人だけでやってきたからね~まぁこれまではそれでも大丈夫だったんだけど、最近忙しくなってきてね~ホラ、近くに大型ショッピングモールできたでしょ?お客さん減るかな、なんて思ってたんだけど、そこの帰りに寄っていかれるお客さんが──」
恐るべきマシンガントークに拓人はオロオロと頷くだけだった。
…が、一つ疑問が沸いた。
「…あの…忙しいって…失礼ですけど、今営業中ですよね?でも…」
そう言って遠慮がちに回りを見回す。
「ははっ大丈夫大丈夫!今は閑古鳥鳴いてるけど、もう少し時間立つと徐々にお客さん増えてきて、夜になるともうガヤガヤと満席になるから!」
ヨタカのようにね、ヨタカ!とよく分からない鳥知識を残し、話は面接に移る。
最近忙しくなってきて、人手が足りなくなってきた所に、拓人がタイミング良く来たらしい。
閑散としている商店街だが、飲食店は変わらずに利用を続けているお客さんが多く、生き残っている店も多いらしい。
この喫茶店『Kオーシャン』も常連客によって経営を助けられているお店の一つみたいだ。

