「すいませーん!お待たせしました!お客様、何名様ですか?」


接客に来たのは女の子だった。年齢も自分と近そう。
…というか、おじさんが一人で経営してるんじゃなかった?どういう事アリ?


「いや…あの…──」
「お客さんかい、ゆい?」


拓人がまごまごしているとカウンターの奥から、店主らしき人物が顔を覗かせた。


「あ!あの…」
「あぁタクトくんだね!智也から話は聞いてるよ」


ささ、どうぞーとカウンター席を薦められた。
高いスツールに腰を下ろすと、その隣におじさんも腰掛ける。

先ほどの女の子は拓人に微笑みかけて、厨房へと下がっていった。