「──こんなの一気って、いけるわけないでしょー!」
「じゃあ俺がいくよ!」
「いやここは俺がいくよ!」
「いやいや俺がいくって!」
「…い、いや、ここは僕が…」
「「「どうぞどうぞどうぞ」」」
「なんでだよっ!」


前に座る女の子達の笑い声に、今日も絶好調だと満足気な鼻息を洩らす。


街にある居酒屋で、中と拓人は"合コン"にしけ込んでいた。

中はそういうネットワークが広く、多い時は週に一、二回は合コンの話が出てくる。

拓人は"金魚のフン"をしてるので、中の数多くの合コンの誘いが、真っ先に飛び込んできて、二つ返事でOKを出していた。

中と拓人以外の男面子はよく変わるが、最近では見慣れた顔つきになってきた。

七月という夏本番が近付いてきてる今、女の子達の私服も軽装で、それが拓人達のテンションをさらに引き上げていた。