病院を出るのだ、となんとなく周りから伝わってきた。

ベッドと体を密着させるベルトに縛られがっちりと固定された僕は、ガラガラとローラーで運ばれた。

ワゴン車に寝たまま乗せられ、車の窓から、手を振る看護師達が見えた。


"やっとゆめがおわるのか…"


車の中、続く薄い意識の中で思っていた。


目覚めたらいつもの毎日がやってくる。

就職したばっかりの、あの右往左往する毎日がやってくる。


今回の夢はやたらと長かったなぁ。


不吉なものもたくさん見たけど、夢って大体こんなもの──…