「…今までも、そうしてきたの?」
もう一度、繰り返す由衣。
無表情な由衣から、感じ取れるもの…小さな、が確かな怒りがあった。
それを認めたくない気持ちが、拓人の声量に現れた。
「…え?」
四つん這いの状態で、固まる拓人。
続ける由衣の口調には、明らかな怒意が含まれていた。
「そうやって、欲求を満たしてきたの?」
由衣の言葉が、怒意によりなんのフィルターも通してない言葉が、拓人に突き刺さる。
"欲求を満たしてきた"。
的を得た発言に、自分のこれまで我慢してきた清い心を、自らの手で汚してしまったかのような錯覚を覚え動揺したが、それを隠すかのような"怒り"を拓人も感じた。
「…何言ってるか全然わかんないんですけど」
沸々と怒りが沸いてきて吐いたあえての敬語にも、由衣は全く臆する事なく続けた。
「自分の希望を叶えたい時は、まず外堀から埋めてくんだよね。"ここまでプレゼントあげたんだから、今日はいいだろう"って、そう思ってるんでしょ」
起き上がりながらも、視線を拓人から外さず、拓人を貶す由衣に、プツンと血管が切れた。

