ビクッと震えた由衣だったが、そのすぐ後には身を任せるように、力を抜いた。


「…由衣。実は、今日渡したいものがあるんだ」
「…え…」


拓人は後ろ手で自分のバッグの中を探り、取り出した。抱きしめていた腕を緩め、改めて拓人と向き合った由衣に、紙袋に包まれたそれを取り出して見せた。


「…これ…ブレスレット、なんだ」


由衣は装飾品が苦手らしい。
だからプレゼントは食品か消耗品が常だったが、今回は違う。

ブレスレットというカタチに残るものをあげる事は、今日一日の自分の決意表明でもあった。僕らの記念日にしよう、そういう気持ちがあった。

拓人の意図をどう受け取ったのかはわからないが、由衣は破顔して拓人に述べた。


「…拓人君、本当にありがとう。嬉しいよ」


そう言って寄りかかってくる由衣。
拓人は身を任せてくる由衣を素直に抱きしめた。拓人の感情を素直に受け取った所が、待ちきれないとばかりに急かしてくる。デニムに感謝した。