♪じんぐるべーじんぐるべーすずがーなるー

拓人と由衣は互いに少しアルコールの入ったシャンパンを飲んで、高揚した気分のまま歌っていた。

彼女と過ごすクリスマスは、なんて心地好いのだろう。

去年過ごせなかった鬱憤を、今晴らしているようだった。

二人の下手な歌声が見事にハモり、現雰囲気の向上へと繋げていた。


「──拓人君、知ってる?」


唐突に由衣が聞いてきた。


「知らない」
「内容聞いてよっ!あのさ、クリスマスイヴの夜、夜空に願い事すると、それ叶うかも知れないんだって!」
「なんだよ、『かも知れない』って。それ何情報?」
「まーまー。そこが本当っぽいじゃん。確定してない所が。今日は綺麗な月でてるし、絶好の願い事日よりだよ!」


由衣は窓に近づき、カーテンを開け放って、言った。


「…これからも、拓人君とずっと一緒にいられますように…」


恐らく由衣は酔いもあったのだろうが、拓人は心を打たれた。
そして、同じく酔いのあった拓人は、黙ったまま由衣に近づき、後ろからそっと抱擁した。