一種の不安を抱きつつも、とりあえず拓人は少し考えた。


「…んー難しいな…人によるけど、それを楽天的に捉える人もいれば、絶望視する人もいるんじゃない?」
「絶望視するのが自分だったら、どうする?」


由衣がこちらを向いた。
なぜそんなにマイナスイメージで見るのか、理解出来なかった。由衣の瞳の奥を見るのが、なぜか恐ろしい。

だから拓人は努めて、場を濁すように笑う。


「…なに言ってるの?僕の今の人生は幸福に満ち満ちているんだ。もちろん、由衣と出会え──」
「どうする?」


立ち止まる由衣。真っ直ぐ視線を向けてくる由衣に、たじろぐ拓人。

由衣の、真剣な眼差しが突き刺さる。軽薄さを装っていた気持ちを、軌道修正させるような瞳。

真面目に答えて──由衣の目がそう言っていた。


「…自分だったら……」


考えてみる。だが、その瞬間に思い付いた事があり、思考を止めた。


「──自分だったら、深く考えるのを止める」


拓人の言葉の意味を、由衣は思案しだしたのがわかった。