紅葉は美しく彩っていた。
舞い散る様々な色の葉が、太陽の光を透かす。青く澄んだ空は、空気も綺麗に透かしているような気にしてくれる。

一陣の風が吹き、落ち葉が舞い上がった。その時、隣を歩く由衣が小さく、囁くようにこぼした。


「──…ねぇ。『生きていく』って、どういう事だと思う?」


突飛な質問だ。由衣の横顔を見るが、由衣は変な質問をしたという自覚はないようで、前を見たままだ。


「…なに?いきなり」


拓人も前に向き直り、今感じた動揺を隠すように、普通を装って聞いた。


「例えば人とふれ合う事で、自分が生きてるって感じたり、好きな事をしたり、好きな物にふれたり、そんな事で生きてるって実感する事もあるよね」


由衣が何を言いたいのか、わからない。


「…なんの話?」
「もし…もし自分が今"生きてる"という実感がなくなったら…その人はどうなっちゃうんだろう?」


その声色には、"自分がそうなったらどうなるか"というニュアンスも含まれている気がして、不安が過った。