紅葉が見たいと姫君がおっしゃったので、拓人と由衣は鮮やかに彩られた秋の風物詩に見入ってる最中だった。
…思えば、拓人が由衣と付き合ってから初めて見る紅葉だ。
去年はちょうどこの時期に告白したのだ。
あれから一年。
時が経つスピードは早い。光陰矢の如しとはよく言ったもの。
だが、拓人らの関係は相変わらずのスローペースで、未だAすらも済ませてない状況。
そんな状況に、拓人自身も満足している
ワケがなかった。
拓人は、少し焦っていた。
このままずっと、何もしないままなのではないか。
なんやかんやで気付いたら卒業。
僕は学生時代に彼女が出来ました。彼女とは大学三年の秋から付き合い、それからずっと"清く正しい"交際を続けていました。
…悲しい!悲しすぎる!
由衣と付き合う事で、自分の中の時間の流れもスローペースになったんだろうな、と自覚している拓人だが、早く何かしらの行動を起こさねば、という焦燥感も自覚している拓人だった。

