『…あの子に 受ける気ありそなら よかった
あたしが探せとかゆーと やる気なくなるらしくて あんまりゆえなくて…』
本当に愛されてるんだなぁ…と思った。
これは拓人がアリの彼女、エリナと交わしたメッセージの一部だ。
この時期、就活も終わり、あとは卒業を待つだけの拓人らだったが、アリはまだ就職先が決まってなかった。
もう学生の八割方就職先が決まり、のほほんと呆けている学生が多い中、アリは決まってないので焦らなくてはならないのだが、どうにも本人にはやる気がないらしい。
本人とは違い、気に病んでるのは彼女のエリナの方で、アリに言ってもどこ吹く風のようなので、友人の拓人に連絡をしてみたそうだ。
『…求人は二次的な感じでこれから出るところもあるはずだよ。
問題はどのくらい取るかってのと、マシな企業がどんだけあるかって事だなぁ。
やっぱ例年よりキツいのは確かだしね…』
真面目に打ち込む拓人だが、その内容はとても空虚なもので、受け取った側にはなんの解決策にも導けてない、無味乾燥なメッセージだった。