拓人がアリに対して抱く、卑屈な感情。
それは共に過ごしてきた時間が長い二人だからこその感情なのかも知れない。

相手に嫉妬は感じる。だがその嫉妬は、裏を返せば信頼しているからこそ、なのだ。
ずっと共にいたからこそ、その感情は隠れてしまった。

そこから、たっちゃんたちは何の障害も感じることなく、拓人を連れて出てくれる。

毎回、自分の小ささを感じる。

自分一人で抱え込んでいた悩みが、いかに小さなものなのか、いつも教えてくれる。


"友達"。


その存在の大きさを改めて実感する。
自分は友達に支えてもらえることで、立って歩ける。
まともに歩けない自分を、躓いたり転んだりしてる自分を。

"歩かせてもらっている"。

人が人と関わるとき、どういった心境なのか。それは分からないが、拓人は今のままでよかった。

甘えきって生きてる、そんな短所に見て取れ、人から見れば嘲笑に値するだろうが、頼れる人が沢山いるのはまた、長所なんじゃないだろうか。

慢心ではないはずだ。

考えがまとまりやすいな、と海で浮遊する拓人は思った。