アハハハハハ!と皆が笑う中、海坊主になったアリは、呆然とその場に立ち尽くしていた。
「アハハ…アリ、気持ち良かったろ?」
たっちゃんの楽しそうな声には、すぐ反応がある事を期待したものも含まれていたが、アリはずっと黙ったままだった。
肩透かしを食らったような表情のたっちゃんは、アリ?ともう一度アリに詰め寄ると、アリは小さく、呟くようにこぼした。
「…どうしてくれんだよ…」
その囁きのような小さな声は、たっちゃんには届かなかったらしい。無邪気にもう一度聞き返すたっちゃんに、今度はアリは激昂した。
「どうしてくれんだよ!!財布も!!ケータイも!!全部水浸しだ!!どうしてくれんだよ!!えぇ!?」
いきり立つアリに、『あぁ逆鱗に触れてしまったかも』とその場の皆は思っただろう。
「俺やめてって言ったよなぁ!?あんだけ言ったのに聞く耳持たなかったよなぁ!?」
「…でもなんだかんだ言ってもアリ楽しそ…」
「楽しい訳あるか!!バカか!!」

