夏。

といえばBBQ。


大学生最後の夏休み、サイコーの思い出を作ろう、と考えている四年生は多いだろう。

拓人もその内の一人で、同学年の友達十数名で、海に近いBBQ場を借りた。

人が多いと与えられる役割も増える。拓人は機材の用意や運搬、準備等の任をとりあえず与えられた。


「──あぁ~大学生活もこれで終わり、って考えると、切なくなるよなぁ」


同じ班のりゅーじが、コンロを運びながらこぼす。


「今日はそれ考えないようにしよう。そんな事皆の前で言ったら一気に場がしんみりするから。だから禁句!」


横で携帯用ガスボンベを運んでいる拓人が、りゅーじに牽制した。


「…わーったよ。つかお前それ軽そうだな。代われよ」


やーだよっと言いながら走り出す拓人。それを追いかけるりゅーじ。

…拓人らは、子供でいられる最後の夏を、存分に楽しんでいる最中だった。