「半円の花火も綺麗なんだね。あたし丸の花火しか見た事なかったけど、水上に映る花火もまた、オツですね~」


無邪気にそうこぼす由衣に、ものすごい罪悪感がわく。
純粋な由衣に、隠し事をしてる自分に情けなさを感じる。ダメだ、薄情しようと締感が勢いよく込み上げてきた。


「──ごめんっ由衣っ!」


邪悪な心は、その時の謝罪したい強い気持ちが掻き消した。


「ん?」


顔をくるりと拓人の方に向ける由衣。

一瞬躊躇したが、言った。


「…実は僕…合コン行ったんだ…」


ドォン…という花火の音が、虚しく耳に響く。
由衣の顔色が、少し困ったように歪んだのがわかる。


「…でも、信じてくれ。僕はそんなつもりは全くなかったんだ。誓っていう!」


言った後に、これは浮気をよくする者の常套句みたいだ、と気付いた。