「やっほ~お二人さん!」
後ろを振り返ると、学年一のイケメンと、学年一の凡才(秀才ではない)がいた。
「チューはトンカツで中はミニカレー…なんかの罰ゲーム?」
二人が拓人らの前まで来ると、イケメンが不思議そうに尋ねてくる。コイツは穂積 愁(ほずみ しゅう)。イケメンであるが、それを鼻に掛けてる事はない。誰とでも友好的に接せれる爽やかイケメンだ。ほずみ、という苗字を文字って"ドゥミ"と呼ばれている。
「その罰ゲーム、俺にも乗らせて!俺ラーメンでいいわ!」
ドゥミの横でつまらない事を抜かす凡才は小泉 純一(こいずみ じゅんいち)。名前にあと一文字足せば元総理と同姓同名なので"総理"と呼んでくれ!…というのがコイツの希望だったが、世の世知辛さを具現化したかのように、コイツのあだ名は単に身に付けてた装飾品の"メガネ"になった。
「オメーにはミニカレーすら奢らねーよ!つかそもそも俺が奢って貰ったんだっつの。チューが講義中に寝てて、昼飯に遅れたから」
「だから寝てないって」
「そりゃ当然だわ」
「奢りも頷ける」
「おい」
拓人のツッコミは三人の笑い声にかき消された。

