盛り上がる中たちを見て、焦った拓人は慌てて中の肩を掴んだ。


「なんだよ?」
「それって、僕も参加?」
「お前は鬱憤溜まってねぇのか?」


中に言われ、思い返す。
ここ数日間の勉強時間は、高校の頃とは比べ物にならないとは言え、割と時間を割いた。

鬱憤が溜まってない、と言ったらウソになる。


「…いや、溜まってる、けど…」


拓人がゴニョゴニョしてると、中は大きく肩を組んできた。


「大丈夫だって!お前が心配してるワケもわかる!でも今日くらい…試験から解放された今日くらい、飲みに行っちゃってもいいんじゃないですか!?」


後半はその場にいる皆に聞かせるよう、大きな声で叫ぶ中。

おぉ~、とカズヒロを含む皆も呼応するように叫ぶ。


「…でも…」
「大丈夫大丈夫!今日はこの面子で飲みに行くから!」


大丈夫大丈夫!とキャッチのセールスマンを連想させる、如何にも胡散臭い中だったが、ここで断ると空気が冷めると感じた拓人は


「…じゃあ、僕も行くよ」


と、同じ穴のムジナとなった。