「──なーんでもってんのっ!なーんでもってんのっ!飲み足りないからもってんの!」



ハイ飲んで飲んで飲んで…♪…──

カズヒロがグラス一杯に入った酒を、一気にあおっている。

廻りには女の子の嬌声が飛び交う。

入り乱れた合コンの末端の席には、ウーロン茶をちびちびと啜っている拓人の姿があった。


──…どういう事だよ、中!


さっきから心の中にある慨嘆を含んだ疑問を再度、心の中で吐き出しだ。


今や"合コン"と化した、数時間前…──



──────
────
──



"警察官"の試験が、中学校で行われた。

中学生が家で休んでるか、部活で体育館しか使ってない日曜の昼間に、警察官筆記試験があったのだ。


拓人は一社から内定貰ってるからいいかなーと思っていたが、廻りで警察官を志望する人があまりに多かったので、"自分も実は警察官になりたかったんだ"という気持ちが芽生えてきたのだった。

カズヒロもその一人で、一次の筆記試験は割と難しかったのだが、それが終わった後はっちゃけれる余裕はあったみたいだ。


そして、中もその一人だった。