「──そういや覚えてるかチュー。俺らと黒さんと寺井の四人で旅行行った時の事!」
町吉が見ていた卒業アルバムから顔を上げ、尋ねてきた。
「う ん」
「あれは四年の初めくらいだったっけ?懐かしいなぁ」
思い出すように、感慨に耽る町吉。
「へぇーチュー町吉らと遠出したのか」
「珍しい」
たっちゃんとりゅーじが同じような顔を向けてきた。
「そうそう!あん時のコイツには笑ったなぁ~」
「何々?」とたっちゃんらは嬉々として町吉の先を促す。
含み笑いしながら次句を誘うような言い方は変わってないな。
苦笑しながらも、いやこれもまた自分のためなのかも、と思う気持ちとくだらない葛藤をしていると、
「チューと寺井が仲睦まじく寄り添ってる書き割りから顔だしてよ、もうキメェキメェ」
──…え?

