そういう状況におかれると、僕はすぐにドロップアウトした。

9月いっぱいで中途退校。

授業が難しく、パソコン関連の仕事にもついて行けそうにない、それにまず自分はリハビリに専念しなければならないと気付いたので、辞めます。

退校の理由として挙げたのは確かそんな感じだったが、
"みなさんの会話レベルが高すぎるのでついていけませんでした"

という情けない理由が先端に屹立していたのを、恥ずかしさから覆い隠していた。

その年の10月からは、また伊達さんとのリハビリに勤しんだ。


同じ訓練校の生徒はいい人が多く、僕が辞めた後にも、一年間お疲れ様という名目で開かれた食事会に呼んでもらった。

みんな、ふざけたように笑いながらも、そこでこれから自分は"どうするか"明確な目標を掲げて、自分の中に芯を貫いて生きているというのが、どの人からも伝わった。

"芯"のある人の目は、違った。

目標に向かって前進する人の目は、輝いて見える。自分がこうなりたい、こうなるだろうと希望に満ちた目は、かくも美しい。


…僕は、それらとは違った。