それも最初だけでだんだんと慣れていったが、それでもやはり心の片隅で燻った気持ちは最後まで消える事はなかった。
"会話がスムーズにできる"重要性を、僕はまた身をもって実感した。
…もう一つは、その会話の流れも含む劣等感だった。
会話の流れに乗れない経験をした事のある人は多いかも知れない。
ここぞ、という時に発言のチャンスがあったが、それを不意にしてしまう。
次は逃さないようにしよう…そんな経験。
僕はこんな経験がゴマンとある。
常人と異なるのは、そんな秘め事はすぐに忘れ去られてしまう所だ。
言いたかった事が、例え言えたとしても、それが奏効するとも限らないが、それは一先ず置いておき。
会話のレベルが高い。
"流れに乗れない"なんてのは氷山の一角だった。
ちょっとした時に自分の無知さを知らされる事が多い。
どうしたら分かるようになる?
まだ僕が若いから、という理由か?
だが、同じ一般事務には僕より五歳年下の男の子がいたが、その子の方が訓練校のペースについて行けてる感じがした。頭脳は圧倒的に僕の方が"子"だった。

