震える理由は病気からだが、原因が分からない。どういった場面のどういった状況で震えるのか。

いや、緊張する所はわかるが、それとは異なる時に震えてしまう根因は何か。


また、震えの薬が全く効かない震えも、僕は有してしまっていたのだ。

4ヶ月に1回訪れる、それまで服用していた薬が効かない真震え(僕はそう呼んでいる)。

その真震えの持続期間は3~4週間。

この期間に入ると、僕は常人が利用する施設の全てへ入ることが出来なくなる。

他人が自らの思いとは異なり過剰に心配するだろうから、という理由が多くを占めるが、大勢の人の中で異質な動きをするのが奇妙、という羞恥心も少なからずあった。

これは常人として生活してきた"自分"の記憶が、障害者となった今も心の片隅に居座っていたことが原因だろう。

リハビリ施設でも、この時期が来ると元々口数の少ない僕が、更に話さなくなる。多分誰も気づかなかったとは思うが。


様々なことに障害を落としていく震えと真震え。その時期、期間は全くわからないまま、僕は震えと生活を共にした。