そう思ってると
「なんだー?チュー、それは誰にあげるんだー?」
町吉が嫌らしい笑みを携え、背後から近寄ってきていた。
「…な、なんや?何嫌らしい笑み浮かべとんねん」
「なにその妙な関西弁!お前彼女いたんだっけ?そのパックは愛しの彼女に、ってワケか!くーっ憎いねーっ!」
みんなみんなー、と援軍を呼び寄せる町吉に、拓人は慌てて持っていたものを置いて、その隣のものを取った。
「か、勘違いしないでよ!さっきのじゃなくて、コレを家族の皆に買ってってやろうと、優しい僕は画策してたワケだよ!」
黒さんと寺井がなんだなんだと集まってきた所で、拓人は弁明した。
「それ…まぁ、ご家族喜ぶと思うよ…うん」
黒さんの微妙な反応に、拓人は改めて自分の手元を見た。
『カープの鯉人』と印字された物体を、拓人は掴んでいた。

