黒岩さんは年齢は一つ上だが、学年は拓人らと同じ、大学4年生だ。一歳年上というのが拓人らの関係になんらかの障害を来すわけではなく、普通に同学年として接している。

…拓人が仏頂面を変えないのもその証拠の一つだ。


「つまんねぇアホ面を見るより、俺は花見してえなぁ~女の子と!」


そうこぼすのは町吉。町吉とは高校から一緒だが、女の子好きな所は昔から変わってない。身長が平均以下だが、それをルックスが補っていた。
余談ではあるが、人と何か問題を起こしても、自分に非があると思ったらすぐ謝る、というばか正直な性格に、拓人は好感を抱いていた。


「…チューいつまでやってんの?もういいって」


その言葉で、書き割りから間抜け面を出してるのが客観的に見えて、それが急に間抜けに見え、恥ずかしくなった拓人は書き割りから頭を引き抜いた。急ぎすぎたせいで、上部に頭をぶつけた。