駅のホームはまだ電車がきておらず、人も数人しかいない為ひっそりと静まり返っていた。

スーツ姿の拓人は、横の離れた所で、疲れた顔を見せるサラリーマンを、横目で見やった。

すると、逆方向の下り階段から、おそらく大学生になったばかりの、三人組が、なにやら楽しげな空気を醸し出しながら下りてきた。

ホームに降りた三人組は、変わらずにワイワイと喋り続ける。まだ妥協してない服装の、大学一年生だろう彼ら。新鮮さがある彼らの空気に、羨ましさと鬱陶しさの両方を感じた。


…自分は、ちょうど中間にいる。


左には草臥れたサラリーマン、右には青春を謳歌する学生に挟まれている拓人は、そう思った。


学生であるけれど、学生とは遠く離れた存在でもあるような気がする。


ホームに滑り込んできた電車に、その時の憂鬱な気分を追い払ってもらい、拓人は開く電車のドアへと足を踏み出した。