その時から、僕の世界の色は失われた。


思い出すのは、あの頃。


受験戦争から解放された学生達。


学食で食べた昼食。


構内に響く教授の声。


そして、告白。



色鮮やかな記憶のみが輝く、あの頃。


鮮明に焼き付けられた、あの頃。


青春を謳歌していた、あの頃。



戻りたい 戻りたい 戻りたい



ベッドの上で、モノクロの僕はまた泣いていた。



あの頃を思い出して、また



無いていた。