「このお話はそんな純文学的な感じがウリじゃないんですけどっ!!!!」



目的地にたどり着いたなつきが怒鳴る。


目的地と言うのは、郊外のとある書店。


「はぁ……。家の周りの書店にはもう無かったからわざわざ自転車こいで、ここまで来たのに…なんだこれ!!もー!!」


文句たらたら見ていた本には『女の子の秘密』と書かれた恋愛小説。




恋愛小説ごときでそこまで言うなって??



「私はこの小説大好き過ぎて、ずっと続編たのしみにしてたんだからーーーーーーー!!!」



そう叫び、たちこぎで帰路に向かった。