だから覚えている限り、私にとって

丸井は一番最初に自分から

「おはよう」

と言うようになった男子だった。

そして挨拶をするようになる頃には丸井に

対して1つの感情が生まれていた。それは

「好き」

という感情だった。でも、きっといつもの

片想いだ。届かないからそっとしまって

今の日々を大事にしよう。

そう思った、だから丸井が優しくして

くれるたびに余計に言いたくなかった。

消しゴムを拾ってくれる、給食時間と掃除時間

にドラマと他愛の無い話が出来る。ほうきを

代わりになおしてくれる。他の人から見たら

呆れる程小さな事かもしれないが今の状態を

失いたくなかった。それだけ楽しかったし

幸せだった。