「あ。お兄さん」 兄はそのとき、あまり話したことがなくて正直怖い人だと思っていた。 兄は、笑顔を浮かべている。 どうしたのだろう? そう思った。 「おはよう。沙羅」 低い声で囁く。 「どうしますか?ご飯にします?それともパンで?」 いろいろとやりながら聞いた。 後ろで何か呟いていたが、聞こえなかった。 「沙羅・・・」 何の用意があるのかわからなかった。 だから、何。 そう言おうとした。