「肝だめし、は?しないのか?」

夏川は、面喰らったかのような表情を見せると、コテンと首を傾げた。

「え?酒かっくらって、肝臓の出来の良さを試すのが、肝だめし、でしょ?」

俺は、てっきり、〝肝だめし〟なんてのは、若い男女が、心霊スポットで、陳腐な恋愛ハプニングの発生に、愛を育むイベントかと……。

短い沈黙の後、夏川と、俺から、同時に疑問符が飛び出した。

「は?」

「え?」