歌舞伎町の似合う(?)女

腕時計にチラリと目をやると、約束の時間から、キッカリ3分遅れ。

罪悪感からか、言葉に、気遣いが混じる。

「夏川?待ったか?」

スカートの裾を弄る彼女の指先が、ピタリと止まる。

彼女は、こちらを振り向くと、俺の爽やかな笑顔を華麗に一刀両断した。

「3分遅れ。って事で、今日は、冬山の奢りね。」

彼女の口元から吐き出された息は白く、頰は紅色に染まっていた。

「ったく、お前は、相変わらずな女だな。」

俺の溜息に、彼女は、さも愉快そうに笑い声を上げる。

「私は、何も変わらないわよ。まぁ、この街は、刻一刻と変わってくけど。」