歌舞伎町の似合う(?)女

「どうぞ。」

夏川の前に、コバルトブルーのカクテルグラスが静かに置かれた。

マスターの眸は、微かな緊張を孕んでいる。

グラスも、既に、汗をかいていた。

透明色の液体には、口直しの青いオリーヴが沈められている。

「いただくわ。」

夏川は、慣れた手つきでグラスに口付けると、感嘆を含ませた熱い息を吐き出した。

「ありがとう、マスター。とても美味しいわ。」

満足気に喉を鳴らす夏川を横目に、俺は、ゆっくりと右手を上げた。

「マスター、俺にも、マティーニを。」

夏川は、嬉しそうに微笑んでいた。